インフルエンザ検査法

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色々なインフルエンザ検査法

みなさん はじめまして
臨床検査技師になって2年、橋本総合病院に勤務しています 丈太郎です。
(え?名前が古いって?!ふ・ふ・ふ、、、ボクの名前の秘密は、「BJの命の恩人」で調べてみてくださいね〜)

 

まだ駆け出しのため日頃から分からないことだらけですが、先輩技師に聞いたり、学生時代の教科書を引っ張り出したりして日々奮闘しています!
よろしければみなさんもご一緒に、病院で行われている臨床検査について勉強していきませんか!

 

早速ですが、冬が近づくと必ずと言っていいほどニュースに取上げられるのが…
そうです、「インフルエンザ」ですよね。
できれば罹りたくないのはみなさんも同じではないでしょうか。

 

しかし、もし「罹ってしまったかな?」と思った時は、早目に病院へ行き検査を受け、
早目にお薬をもらって治療するに越したことはありません。

 

今回はそんなインフルエンザ、とりわけ、2月から3月頃によく流行する「インフルエンザB型」の
検査について一緒に勉強していきましょう!

 

色々あるインフルエンザの検査法

 

今回、調べてみて初めて知りましたが、インフルエンザB型の検査法には主に4つの種類があるようです。

 

  • 「血清抗体検査」
  • 「ウイルス分離培養検査」
  • 「PCR法」
  • 「迅速診断検査」

 

このうち「PCR法」については、インフルエンザウイルスの遺伝子を数千倍にまで増やして検出する特殊な設備が必要なため、一般の病院で行うことは困難なことが多く、大学病院や研究機関などでしか行われていないようです。

 

また、「ウイルス分離培養検査」については、ふ化しかけた鶏卵を使いウイルスを増殖させ検出する方法で、亜型というウイルスの種類まで分かってしまうのですが、結果が分かるまでに1〜2週間もかかってしまうため、発症から48時間以内に治療薬を服用しないと効果がないと言われているインフルエンザの検査法としては、一般の病院において不向きなようで、主に保健所や研究機関が調査目的で行うことが多い検査法だということです。

 

また、「血清抗体検査」は、一般の病院で行うことができますが、血液を使って、インフルエンザB型に対抗するための「抗体」という体の防御機能ができているかどうかをみることでインフルエンザに罹っているか判断するものらしいのですが、罹りはじめと治ってきた頃の2回、血液を採って検査を行わなければいけないため、とても時間がかかる検査なのです。

 

治った頃に、「インフルエンザでした(過去形)」と言われても… って感じがしますよね。

 

現在主流のインフルエンザ検査「迅速診断法」

そこで最近、ほとんどの病院で行われているのが「迅速診断法」という方法なのです。
この迅速診断法は、とても簡単に、しかも、素早くインフルエンザB型に罹っているかどうかを判定できることが何よりもメリットです。
僕の勤務している病院でも、やはりこの迅速診断法でインフルエンザの検査を行っています。
検査に使われるのは、患者様の鼻から採取した「鼻腔(びくう)拭い液」やノドから採取した「咽頭(いんとう)拭い液」、あるいは「鼻汁(鼻水のこと)」といわれるものを使うのですが、それぞれ採取部位によって採取の仕方が違います。

 

  • 「鼻腔拭い液」
  • 「鼻腔吸引液」
  • 「咽頭拭い液」
  • 「鼻汁鼻かみ液」

 

これらの採取法のうち、通常行われるのは、細い綿棒を鼻腔(鼻の奥深く)まで挿入し、粘膜面の細胞や分泌物を擦って採取し検査を行う「鼻腔拭い液」を使う方法ですが、この鼻腔を擦られるのがとても痛く感じる方や、恐怖心をいだく方もいらっしゃるため、「この検査が苦手!」なんて言われる方もたくさんいるのは事実です。
特に小さなお子さんは、嫌がって大泣きすることもしばしば。

 

そういう方には、喉の奥の方に綿棒を入れ擦って採取する「咽頭拭い液」や、鼻かみによってでた鼻汁をつかって検査する「鼻汁鼻かみ液」で検査を行うことがありますが、なんと言っても、インフルエンザウイルスを一番検出できるのは、「鼻腔拭い液」を使った方法なのです。

 

正確な方法を望むか… 
はたまた… 
痛くない方法を望むか…  
究極の選択!?といったところでしょうか。

 

そんな「迅速診断法」にも弱点が…

簡単、かつ、素早く検査結果を知ることができる「迅速診断法」ですが、一方ではある程度のインフルエンザウイルス量が存在していないと検出できない… という弱点も存在します。

 

インフルエンザB型の主症状の一つでもある発熱が起き間もない頃には、結果が正しく出ない可能性があります。
具体的には、発熱後7〜12時間程度の時間が経過しなくてはウイルスが検出できないと言われているのです。
これは、インフルエンザウイルスが人の体内に入ると増殖を始めるのですが、「迅速診断法で検出できるウイルス量に達するまでにそれ位の時間を要する…」ということなのです。




最新のインフルエンザB型検査法

この迅速診断法ですが、以前は検体採取から結果が出るまでの時間が、15〜30分程かかっていました。
しかし、最新の検査キットでは、早くて30秒、遅くても8分以内に結果が出せるようにまで進歩してきています。

 

また、最新の検査キットでは、発熱後わずか3時間経過すれば検出できるものも登場してきており、以前よりも早く治療を開始することができるようになっています。

 

A型かB型かを識別する重要性はあるの?

現在あるインフルエンザ検査では、必ずと言っていいほどB型とA型の判定までできてしまいます。
しかし、果たしてA型、B型を識別する必要性はあるのでしょうか?
現在、病院で処方される抗インフルエンザ薬には、タミフルやリレンザ、イナビル、ラピアクタといったものがありますが、そのどれもがB型はもちろんA型にも効果があります。

 

しかし、これらの治療薬が登場する以前の1998年頃には、アマンタジン(商品名:シンメトレル)というパーキンソン症候群の治療薬がインフルエンザにも効果があるということで使われていました。
ところがこのアマンタジンは、B型には効果がなく、A型にのみ効果を発揮する治療薬であったのです。そのため、その頃のインフルエンザ検査では、A型かB型かを識別することは非常に重要であったのですが、両方の型に効果がある抗インフルエンザ薬が開発された現在においては、その必要性は以前よりも薄らいだのかもしれませんね。

 

A型の亜型を識別する重要性はあるの?

また、A型には「亜型」というものが存在します。

 

同じA型でもウイルスの表面構造の違いから、色々な種類に分類されるのですが、この種類のことを亜型と言います。
では、果たしてこの亜型を識別することは重要なのでしょうか?

 

インフルエンザウイルスは、その表面構造が頻繁に変化することが分かっています。
時としてこの変化が大きくなった場合に感染性が増大、大流行となるため問題視されているのです。
いわゆる「高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)」と言われるものなどがそれにあたります。
そのためにも亜型を識別することは重要であると言えるのかもしれませんね。



2017/05/10 15:49:10 | インフルエンザ検査法
みなさん こんにちは!冬のシーズンに日本人の5〜10%が罹るともいわれているインフルエンザ…治療の原則はなんといっても「早期診断・早期治療」といわれております。その訳は…インフルエンザウイルスは、一個が24時間後には100万個にまで増殖する非常に増殖速度が速いウイルスなのです。そのため、できるだけ早い段階でインフルエンザに感染していることを見極められれば、ウイルスの増殖が少ないうちに抗インフルエンザ薬を服用することができるため、当然、回復も早くなる…ということなのです。今回は、インフルエンザの早期診断に今や欠かせなくなっているインフルエンザ検査、特に最新のインフルエンザ検査法についてみなさんご...