動物のインフルエンザ

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家禽から発生するA型のインフルエンザ

インフルエンザにかかるのは、人間だけではありません。私たちを悩ませるインフルエンザも、元はといえば鳥に発生したウイルスが突然変異して、人間に感染する性質を持ったものです。日本でも鳥インフルエンザ発生のニュースは増えていて、各地の養鶏場が閉鎖されたり、卵が出荷制限されるなどの被害も出ています。ここでは、動物に発生する代表的なインフルエンザの中で、知っておきたい3種類をご紹介します。

 

家禽(かきん)と呼ばれる、ニワトリ、ウズラ、アヒルなどに主に発生するA型インフルエンザウイルスのことを、鳥インフルエンザといいます。渡り鳥などの野鳥から家禽に感染することが多く、鳥に対する病原性の強さから、高病原性(こうびょうげんせい)と低病原性の2種類に分類されています。感染した鳥は、元気がなくなる以外に目立った症状が出ないために、養鶏場ではニワトリが死亡して初めて感染がわかるケースが多いです。

 

鳥インフルエンザは、鳥から鳥だけでなく、まれに鳥からヒト、ヒトからヒトへ感染するケースもあります。ヒトに感染すると、発熱、急性呼吸器症状、全身倦怠感、重症の場合は多臓器不全などの症状を起こすことがあり、最悪の場合は死に至るので、ちょっと心配ですね。

 

高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8)の最初のヒトへの感染が確認されたのは、2014年です。その後は世界的に増加傾向にあり、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア等で報告されて、数十例の死亡例も出ています。日本では2013年に鳥インフルエンザ(H7N9)が指定感染症(注1)に定められましたが、国内でのヒトからヒトへの感染や死亡例は報告されていません。

 

では、どんな場合に鳥からヒトへ感染するのでしょう? たとえば、鳥インフルエンザに感染した鳥と接触する、感染した鳥のフンを吸い込む、死骸をさわる、病鳥を調理・摂取する等の行為から感染の可能性があるとされています。中国や東南アジアなどのアジア地域では、生鳥マーケットへの立ち入りで空気感染した例もあり、それらの地域に旅行する際には生鳥マーケットや路上の鳥に近づかない注意も大切です。  

 

鳥インフルエンザ発生のニュースを聞くと、心配になるのが食卓に欠かせない鶏肉や卵ですね。私も「食べても大丈夫?」と気になって調べてみました。国立感染症研究所によると、今まで日本で家禽の肉や卵を食べて鳥からヒトへ感染したケースはなく、ヒトに対して病原性が強くなる変異も見られていないそうです。また、市販されている全ての鶏肉は食鳥検査(注2)を受けていて、合格したものだけが出荷されていますし、市販の鶏卵は消毒薬を含む液で表面を洗ってあります(注3)。内閣府の食品安全委員会では「鶏肉や鶏卵は安全」という見解を出していますから、普段の食生活では安心して鶏肉や卵を食べられますね。

 

このように、通常の生活で鳥インフルエンザに感染する可能性はとても低いので、あまり神経質になる必要はありません。気をつけることとしては、野鳥の生肉の調理・摂取を避ける、外で鳥の死骸を見つけてもさわらないこと等です。特に小さいお子さんは好奇心旺盛で何でもさわりたがるので、日頃から注意しておくと安心ですね。

 

(注1)感染症法に分類されていない感染症のうち、感染力や重篤性の高さ等から政令で指定される感染症。
(注2)厚生労働省の「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」により、食鳥は、食鳥処理場で都道府県知事が行う検査を受けることが義務付けられている。病鳥等の検査不合格のものは廃棄処分される。
(注3)国産の鶏卵は、通常、卵選別包装施設(GPセンター)で次亜塩酸ナトリウム溶液等の殺菌剤で洗卵される。




H5N6型 高病原性鳥インフルエンザA(亜型) 日本上陸

日本国内の鳥インフルエンザの発生状況



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